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DPP-4阻害薬オングリザは死亡リスクを増加させる可能性−FDA
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    Bloombergの記事「AstraZeneca’s Diabetes Drug May Raise Death Risk, FDA Says」からです。

    アストラゼネカのDPP-4阻害薬オングリザ(サキサグリプチン)のが死亡リスクを有意に又はほぼ有意に増加させる可能性があるとFDAが指摘しました。ちなみに、日本では協和発酵キリンがオングリザを販売しています(添付文書)。

    FDAは、16,000例を対象としたSAVOR試験(NCT01107886)の結果を解析したところオングリザに死亡リスク増加の可能性があるとして、14日に開催されるFDA諮問委員会に意見を求めています。下記はFDAが公開した資料へのリンクです。
    BRIEFING MATERIAL
    NDA 22350: SAXAGLIPTIN (ONGLYZA)
    NDA 200678: SAXAGLIPTIN/METFORMIN (KOMBIGLYZE XR)


    SAVOR試験は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者を対象に、イベント発症率をプラセボと比較した大規模市販後試験です。2008年、FDAは2型糖尿病薬に対して心血管への影響を評価することを推奨しており、これを受けて計画された試験です。
    FDA Announces New Recommendations on Evaluating Cardiovascular Risk in Drugs Intended to Treat Type 2 Diabetes

    協和発酵キリンは「オングリザはSAVOR試験において心血管疾患死、心筋梗塞または脳卒中のリスクを増加させず、主要評価項目を達成」とニュースリリースで発表しています。
    2型糖尿病治療剤「オングリザ錠」の海外で実施されたSAVOR-TIMI53試験(大規模臨床試験)の学会発表と論文掲載について

    SAVOR試験の論文は2013年にNEJM誌に発表されています。
    Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus

    論文の結論(Conclusions)には以下のことが記されています。日本語で簡単に書けば「虚血性イベント発症率は減少した。心不全による入院例は増加した。血糖値を改善するが、心血管疾患リスクを減少するには他のアプローチも必要」となるかと。(参考:オングリザ群はプラセボ群よりも心不全による入院が27%増加)
    DPP-4 inhibition with saxagliptin did not increase or decrease the rate of ischemic events, though the rate of hospitalization for heart failure was increased. Although saxagliptin improves glycemic control, other approaches are necessary to reduce cardiovascular risk in patients with diabetes.

    FDAは、NEJM誌に掲載された試験結果は予備的なもの(preliminary)と捉え、オングリザと心不全との関連性の検討を目的としてメーカーに臨床データの提供を求めていました。
    FDA Drug Safety Communication: FDA to review heart failure risk with diabetes drug saxagliptin (marketed as Onglyza and Kombiglyze XR)

    14日に開催される諮問委員会では武田薬品のDPP-4阻害薬ネシーナについても同時に審議されます。武田薬品の大規模試験(EXAMINE:NCT00968708)では、プラセボ群との間に差が認められていません。
    BRIEFING MATERIAL
    EMDAC ADVISORY COMMITTEE MEETING


    しかし、心不全(あるいは死亡の増加)がオングリザ特有なのか、それともDPP-4阻害薬に共通するリスクである可能性があるのかについて、ジャヌビアの大規模試験(TECOS:NCT00790205)の結果が出た後の評価・議論となりそうです。
    | 糖尿病 | 09:50 | comments(0) | - |