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サプリメントとしてのビタミン摂取による健康へのベネフィットは限られる
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    本日は配信記事「Vitamins Lack Clear Health Benefits, May Pose Risks」です。

    米国内科学会が発行する学術雑誌Annals of Internal Medicineに掲載された、ビタミンのサプリメントは長期的に何の効果もなく、むしろ摂取を控えるべきという主旨の論説に関する記事です。Annals of Internal Medicineの2012年のインパクトファクターは14.0であり、多くの方がご存じのように、一流誌の一つです。

    最初に論説へのリンクを貼っておきます。配信記事によると、ビタミンのサプリメントの効能を評価した3試験をレビューした結果をまとめているようです。(このエントリーを書くに先立ち、私は今回、論説には目を通していません)
    Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements

    記事に書かれた論説の結論(主張)から紹介します。
    ビタミンのサプリメントは心臓血管の健康維持、発がんリスクの低下、認知機能の維持または死亡率への寄与が認められず、むしろ弊害の報告もある。言うなれば、お金の無駄遣いをするなということです。もちろん、この評価(結論、主張)は最終的なものではありません。

    レビュー対象の1つめの試験では、マルチビタミンまたはプラセボを無作為に摂取した45万人において、10年間にビタミンは心臓血管の健康、発がん、死亡に対するベネフィットを示さず、むしろ喫煙者のβカロチン摂取で発がんリスクが増加したようです。2つめの試験は6,000人の医師を対象とした研究ですが、ビタミン摂取医師の12年間の認知機能低下はプラセボと変わらなかったようです。3つめの試験は脱落例が多いので信頼性に劣りますが、心発作歴のある人1,700人への4.6年間の観察において、別の心発作の発生はビタミン摂取群とプラセボ群で差がなかった結果が得られています。

    配信記事は、米国疾病予防管理センター(CDCのことです。最初からCDCと書いた方が分かりやすいかも)を引用して、平均的なアメリカ人は必要量のビタミンおよびミネラルを摂取できていることを伝えています。
    CDC report finds U.S. population has good levels of some essential vitamins and nutrients

    この記載のあるパラグラフは、ビタミンや栄養不足だったのは一昔前のことであり、サプリメントは不要と思わせるような展開になっている印象を受けます。が、このCDCの発表の以下の文章からは、サプリメントで摂取している人も(もちろん)評価対象に含まれているようなのですが…。
    “These findings are a snapshot of our nation’s overall nutrition status,” said Christopher Portier, Ph.D., director of CDC’s National Center for Environmental Health. “Measurements of blood and urine levels of these nutrients are critical because they show us whether the sum of nutrient intakes from foods and vitamin supplements is too low, too high, or sufficient.”

    この私の印象のように、別の解釈・見解や研究結果もあるようです。先に書いた2つめの医師を対象とした試験では、11年間の調査でビタミンのサプリメント服用者で発がんリスクが低下したという結果も出ているようです。これに対して、調査対象が医師であり一般的なアメリカ国民を反映していないという意見も…。話(記事)の展開が見えないです。

    食事から必要量のビタミンやミネラルを摂取できている人は、必要量以上にサプリメントから摂取する必要はない(enough is enough)ことはアメリカ人も日本人も分かっているとは思います。が、自分自身が必要量を摂取できているか分からならず、必要量を摂取できていないと健康に問題が生じることを匂わせて‘煽る’広告や記事に不安を覚えてのサプリメント服用、もしくは、ビタミンの効用(Annals of Internal Medicineの論説で否定してますが…)を期待して取り合ず摂っておけのサプリメント服用が多いと思いますので、配信記事はもう少し突っ込んで書いてくれればよかったのにという印象があります。

    このような印象を持ったので、最後に論説の結論(だけ)を読んでみました。

    ビタミンのサプリメントによるベネフィットはない。一方、βカロチン、ビタミンEおよび高用量のビタミンAの摂取はむしろ有害だ。抗酸化物、葉酸、ビタミンB群を含むマルチビタミンやミネラルのサプリメントは、主要慢性疾患に伴う死亡や病的状態に対する効果は期待できない。

    この結論を言うにはエビデンスが強くないかな(という印象)。

    2010年度のアメリカでのビタミンサプリメント売上は280億ドルにも及び、増加傾向にあります。配信記事が書いているように、論説(や配信記事)がこの傾向に変化を与えるためには、さらなる研究(つまりエビデンス)が必要だと思われます。

    【追記】関連情報(同様の配信情報)へのリンクを追加します。
    Are multivitamins a waste of money? Editorial in medical journal says yes
    Do vitamins block disease? Some disappointing news
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