2018.02.14 Wednesday
中国のGenScript Biotech社がCAR-Tの臨床試験で良好な成績を得た
Bloomberg Technologyの [In Race for Blood Cancer Therapy, a Chinese Biotech Firm Surges 500%」からです。
中国のGenScript Biotech社が血液がん患者35例を対象としたCAR-Tの臨床試験で良好な成績を得たことが分かりました。
再発・治療抵抗性の多発性骨髄腫患者35例を対象とした初期臨床試験において、33例にCAR-T細胞療法から2ヵ月以内に緩解が認められたようです。GenScript Biotech社は、次相の試験を第二四半期には開始し、2020年までに上市したい考えです。
CAR-T細胞療法としては、ノバルティス社、そしてギリアド社が欧米で承認を得ています。GenScript Biotech社はこの市場に入り込もうとするものです。
全世界において現在実施中のCAR-T細胞療法の臨床試験はアメリカがトップで186試験ですが、中国では153試験とアメリカに迫る勢いです。比較すると日本での試験数が非常に少なく感じられます。(日本企業頑張って)
なお、CAR-T細胞療法は非常に高価であり(ノバルティスUS$475,000、ギリアドUS$373,000)、かつ市場が限られているためどこまで売上を伸ばせるか。
これは感想ですが、CAR-T細胞療法は固形がんへの応用で苦戦を強いられているところ、血液がん同等の効果を固形がんで示すことができれば他社に比べて一歩リードとなるのでしょうが果たしてどうでしょうか。(固形がんへの応用の現状について、近いうちにまとめを作るつもりでいます)