PharmaTimesの「Twenty percent of antibiotics prescribed inappropriately」からです。
今月初めの日経新聞に「不要な抗生物質の使用を控えるための方策」に関する記事が掲載されていましたが、イギリスでも同様の問題があるようです。
参考:抗生物質「風邪なら投与」はダメ 医療界や厚労省(日経新聞)
イギリスのGP(プライマリーケア医)において、使用目的が明確でない抗生物質の処方が多いとの調査結果が発表されました。
Antibiotics in primary care in England: which antibiotics are prescribed and for which conditions?
抗生物質の乱用は耐性菌が増加する懸念があります。
私が参加した2002年の日本化療学会で「耐性菌増加の懸念があるので、風邪に対する抗生物質の処方をやめましょう」と講演で呼びかけていた先生がおられました。(呼びかけは、これ以前からあったかもしれません)
15年以上経過した現在においても、日本、イギリス等で不要な抗生物質が多く処方されていることは、難しい問題です。記事に「抗生物質は万能薬(原文:a ‘catch all’ for every illnessを意訳)と考えている患者がいる」旨の記載があります。日経新聞でも「抗生物質を出してください」とお願いする患者が少なくないことが記載されています。
不要な抗生物質の処方を減らすためには、処方する側だけでなく、患者つまり一般の人にも正しい理解を得る必要があるので、大変な苦労を伴うものでしょう。
イギリス政府は、不適切な抗生物質の処方を2020年までに50%削減する目標を立てています。