Reutersの「Severe asthma drug shows AstraZeneca promise beyond cancer」からです。
重症好酸球性喘息患者を対象とした抗好酸球モノクローナル抗体benralizumabの第3相試験において、経口ステロイド薬の服用を大きく減らしたことが米国胸部学会(ATS)で発表されました。アストラゼネカは今年後半の承認を期待しています。
試験は28週間投与試験でしたが、benralizumab群では経口ステロイド薬の服用を75%減少(中間値)しています。また、プラセボ群と比較して、喘息増悪の頻度を70%減少しました。しかし、別の見方をすれば、20%の患者では経口ステロイド薬の服用数減少がみられず、この理由については不明です。
この試験の結果はNEJM誌に掲載されています。
Oral Glucocorticoid–Sparing Effect of Benralizumab in Severe Asthma
Benralizumabは、2014年にファイザーがアストラゼネカ買収に動いた際、年間売上が20億ドルになる可能性があるとされていましたが、トムソン・ロイターの試算だと、2023年に9億1500万ドルとなっています。Benralizumabの競合薬としてGSKのヌーカラとテバのCinqairが先行していることに加え、サノフィが、dupilumabの湿疹適応を取得後に重症喘息の適応追加を目指すとみられています。
Benralizumabは、ヒト化モノクローナル抗体であり、インターロイキン‐5受容体のαサブユニットに直接作用して好酸球を除去します。好酸球は炎症性呼吸器疾患の主要な標的細胞とされています。Benralizumabは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社からライセンス導入されました。