2017.05.08 Monday
FDAは、フリーラジカル消去剤エダラボンを筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬として承認
USA TODAYの「FDA approves second drug to treat ALS」からです。
田辺三菱製薬のフリーラジカル消去剤エダラボン(一般名)が筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬としてFDAに承認されました。ALS治療の新薬がFDAに承認されたのは20年ぶりとなります。日本人ALS患者137例を対象に実施した6カ月間の臨床試験結果をベースに承認されたようです。
FDA approves drug to treat ALS
ALSは、MLBの人気プレイヤーが患ったことからルー・ゲーリッグ病とも呼ばれます。ALSは、運動神経が選択的に変性・脱落する進行性の神経変性疾患です。症状は、筋萎縮と筋力低下が主体で、病状が進行すると上肢の機能障害、歩行障害、構音障害、嚥下障害、呼吸障害等を生じます。アメリカ国内の患者数は12,000〜15,000人と推定されています(日本では約9,200人。難病情報センターサイトから)。
ALSの発症については様々な説があり結論は出ていませんが、遺伝子異常、酸化ストレスやグルタミン酸過剰による神経障害といった原因説において遺伝子研究をはじめとする基礎研究、治療薬の開発が進んでいます。エダラボンは、ALS患者で上昇が認められるフリーラジカルを消去、無害化することにより運動ニューロンを酸化ストレスから保護し、筋萎縮の進行を遅らせると考えられています。